大統領選挙の読み方

アメリカの選挙が終わった。ブッシュが勝った。これで、あと4年はブッシュだ。


別にブッシュがどうしてもイヤというわけではない。ただ、内向きには「金持ち減税」、外向きには「戦争外交」を続けることになるだろうということだけだ。もちろん、共和党政権であるから、経済活性化のために、小さな政府、市場主義を貫くわけで、それはそれで歓迎だ。しかし、それをするために、イラクを攻めたり、戦争をしたりというのは、さすがに納得がいかない部分もある。

さて、それはさておき、選挙結果に関して。


金では決まらなかった選挙

アメリカの選挙は金がかかるらしい。今回も両陣営とも220億円を超える金を使った。もっぱらの予想では、ブッシュは共和党予備選を事実上スキップしており、死闘であった民主党予備選を戦ったケリーと比べれば、資金の使用度という点で有利だったとも言われていた。


しかし、さすがはアメリカ。奥さんが金持ちとかそういうオプションを使って、実際の資金はほぼ互角。結局、資金力では差がつかなかった。



結果を分けた「神様」


実際、選挙結果もほとんど差がなかった。でも、ケリーは負けてブッシュは勝った。マスコミの報道を見ている限り、ケリー支持者のブッシュへの反発はすごいものがある。何となく理解できるが。。。。例えば、日本で小泉首相と岡田民主党代表で、片方が絶対に生理的にNGという人は少ないだろう。ところが、ケリー支持者は、猛烈にブッシュアレルギーであるように見えた。


さて、ではどうしてブッシュは勝てたのか。得票を見れば分かるように、ブッシュは内陸で勝った。内陸の人は多くがパスポートを持っておらず、「内向き(=国内にしか興味がない)」とされているらしい。つまり自国のみを考えれば、テロを撲滅してくれそうなブッシュは正義なのだろう。海に近くなればなるほど、外国との触れあいが多くなり、ブッシュが暴走しているということが分かるのだと思うが、内向きだとそれも見えない、ということなのだろうか。いずれにせよ、これは一つ目の理由だ。


さて、そうはいっても、投票者の半分は、ブッシュの暴走に対して理性的にNoと言ったわけであった。結局はブッシュは「キリスト教」に勝たせてもらったのだと思う。
  ブッシュは熱心なキリスト教プロテスタント)信者だ。
  →そのブッシュが言うことなんだから、きっと正しいはずだ。
という心理が信者には働いたのではないだろうか。そして、それが、ブッシュを否定するだけに見えたケリーよりも強かったということだと思う。


世界中が注目し、結果次第では4年間の世界のあり方を変えてしまうような大きな意志決定が、「見えざる神」に左右されることに激しく疑問を抱いた。

# ちなみに、僕は無信教ですし、信仰を持つ方を否定する気も肯定する気もありません。
# また、キリストも好きでも嫌いでもありません。