Long TailとGoogle

田中さんのblogのちょっと古いエントリーですが、非常に参考になります。

TanakaYoshikazu.com > Google News 日本版ローンチ、Google IPO

▼1【特許】:まずはページランク特許で、同様の検索エンジンの参入を防ぐ

創業時は、トラフィックも資金も人もいないので、特許で足がかりを作れるのは非常に理想的ですね。

▼2【コスト構造】:検索エンジンOEM提供する(が、スパイダリング、インデクシングは、各社分まとめて行う)

ここが、第一のグーグルの成長の肝、だったと、振り返ってみればわかります。

営業的にはグローバルに検索エンジンOEMできるわけですから、かなりの売り上げを見込むことができます。また同時に、スパイダリング、インデクシングという、スケールメリットを享受できる部分は、自社で各社分共有化することでコストを下げていくと。

こうすることで、ビジネス的に立ち上げながら、コスト構造でも後発の参入を防げるようにして、競合をつぶした上で、その独占的構造を武器に、各ポータルとの力関係を逆転させていく、と。

特に、この「各ポータルとの力関係を逆転させていく」がGoogleの意図だとしたら、ものすごいことですね。ここが最大のポイントかと。



▼3【トラフィック】:アドワーズ開始

ここで、OEMして、自社の関係するするトラフィックを増大させてきたのを応用する番です。

アドワーズ=アドマーケットプレイスは、かつてから実現を各社がねらっていましたが、用は、鶏か卵かというところで、デッドロックがおき、なかなかクリティカルマスを超えることができませんでしたが、そこをオーバーチュアが地道な努力で、このビジネスはやっといけそうだ、とやっともってこれた、そんな時代でした。

ebayを見れば分かるように、マーケットプレイスは、「売り手」と「買い手」の数を多く集めたものが独占的になりやすい構造から、莫大な利益を得られるビジネスです。グーグルは、「広告主」と「閲覧者」という2つの要素の、「閲覧者」部分をいままで、グローバルで押さえた莫大なトラフィックを用いて、他社と圧倒的な差をつけることに成功しました。いわば、第二のビジネスモデルの発見というか、第二創業というか、ここが転換点です。OEMビジネスから脱却し、広告ビジネスに参入しました。

まずは、閲覧者をOEMによって、ものすごいスピードで獲得しました。その次に何をしますか?というところで、「広告」によって、Googleに来た閲覧者を他サイトへ流すというところで課金し始めたわけですね。



▼4【広告主+コスト構造】:アドセンスへの参入

そして、アドセンスが開始されます。アドワーズで獲得した莫大な「広告主の数」を生かす番です。今回は、「広告主」と「閲覧者」という2つの要素で、広告主を押さえた上で参入を開始します。

さらには、各ページごとに広告を最適化する技術は、ウェブの検索技術を応用し、そこと共有化することで低コスト構造で実現できるので、2重の参入障壁を築くことができます。

で、次は、ここで獲得した莫大な広告を掲載するウェブサイトを押さえた上で、他社が参入しにくいビジネスを始めれば言いわけです。

今度は、「Googleに来る閲覧者」と「広告主」の両方を十分に得ました。次は何をしますか?というところで、「閲覧者をもっと取れないか」という発想ですね。
弱いウェブサイトからの小さいトラフィックもたくさんあれば大きくなる(ちりも積もれば山となる的な発想)です。これがlong tailかと。