「Aクラス理論」:Aクラスの奴はNoを言わない上に褒めるのが上手い。

ウェブ時代 5つの定理―この言葉が未来を切り開く!にある、
http://www.bunshun.co.jp/umeda_web/umeda_link_teiri02.htm

■p.93
Aクラスの人は、Aクラスの人と一緒に仕事をしたがる。
Bクラスの人は、Cクラスの人を採用したがる。── シリコンバレーの格言
A-level people want to work with A-level people. B-level people tend to hire C-level people.──Silicon Valley proverb

という格言。

これは、何となく流行語になりそうなので「Aクラス理論」と勝手に呼ぶことにする。


さて、今、インターナショナルなチームで一つプロジェクトをやっているのですが、ゼロからチームを作れるということだったので、この「Aクラス理論」を徹底的に意識してやっています。


宣言するのは簡単なんです。(僕がAクラスかどうかは別にして)「価値観が共有できて、自分よりも経験も実績もあるエンジニアしか採用しない。」基準はこれだけです。


ところが、これを実践するのはとっても難しいです。
実際、現場は猫の手も借りたいくらい忙しく、Aクラスの人材というのはそう簡単に採用なんかできない上に、毎日何人も面接しなければAクラスには出会えない。面接に来る連中だって、Aクラスはほとんどいないから、ついつい忙しさと効率の悪さを理由にBクラスを採用したくなる衝動に駆られます。「この人を採用すれば、少なくても●と■はやってもらえそうだから。。。」という甘い誘惑が襲ってくるわけです。

最近はだいぶ慣れてきましたが、これを実践するのは苦行みたいなものだということが体感してみて分かりました。
ただ、案の定、Aクラスの人が来るということは稀で、元々インターナショナルなチームだったということもあって、外人ばっかり採用しています。笑
日本人のAクラスは、ほとんどマーケットに出ることが無いんですが、外国籍の方の場合はそうでも無いので、上手い具合にいい人が見つかる場合があります。
おかげで、開発会議が全部英語になって、僕としては若干泣きそうではありますが、それでもBクラスの人を入れないようにしていたおかげで、コミュニケーションの問題があるにも関わらず、全てのことがスムーズに進んでいます。


そんな中で気付いたこと。

Aクラスの人って本当に「No」を言わないんです。

「これできる?」と聞いても、最悪でも「Yes, but.....」なんですよ。例えば、実際にはできなくても、「僕はやったこと無いけど、●を調べればできるはずだから明日までにやるよ(そして、本当にちゃんとやる)」とか「僕の友達がそれに詳しいから、すぐ聞いてみる」とか、そんな感じで進んで行きます。
(決して、ビッグマウスであるのがいいと言っているのではなく、それと実際の行動が伴っているのです。)

逆に、外部の人とMTGして、「これできますか?」と聞いた場合に、相手が「それは難しいと思います。社内の担当者に聞かないと分かりません。それをするには●日かかります。」みたいなネガティブなことを言うと、露骨に嫌な顔をします。

出来るAクラスの人は、Noを言わない、という傾向があるような気がしました。

Aクラスの人は、人を褒めるのが上手いんです。

これはAクラスの人だからなのか、英語圏の人だからなのか良く分からない部分もありますが、褒めるのが上手いですね。
何かメールしたり、これやったよ、と言うと、基本的に「Fine!」とか「Good Job!」とかそういう感じで返事が返ってきます。こう返されて悪い気になる人はいないので、さらに仕事が進みます。実際には、その後にものすごい大変な内容を依頼されたりするわけなんですが、言われる方も褒められた後なので、頑張るかーみたいな感じになっています。

こんな感じで、「国際派チーム×Aクラス」という組み合わせは、「日本人チーム×Bクラス」という組み合わせに比べて、信じられないくらいに生産性が高いまま突き進んでおります。

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