オバマの演説が改めてすごすぎる件(Health Care制度に関して)

オバマの演説がすごすぎます。

Obama's Health Care Address to Congress
http://www.nytimes.com/interactive/2009/09/10/us/politics/20090910-obama-health.html


テーマはヘルスケア。連邦議会に彼の主張を説明するというビデオです。

内容に関係ないところとして、以下のような特徴があると思います。

  • 英語がとても高貴。にも関わらず難しすぎない。
  • 発音が聞きやす過ぎ。
  • これだけ長い演説をほとんど原稿みたいでしゃべってる。しかも選挙時に演説と比べると相当早口。全部暗記してるのかな。
  • ほとんど数字を使わず、概念をやさしく説明。にも関わらず説得力が絶大。
  • 一部の反対議員が途中でヤジを入れてもいるが、圧倒的に支持されている。


そして、彼の考える新しい健康保険の内容に関しては、

  • 健康保険が全員に行き届かないというのは良くない。(注:アメリカの健康保険は全部民間ベースなので、保険がもてない人も多い。貧しかったり、中小企業のオーナー向けの保険が高すぎたり、病気持ちで健康保険に入るのを拒否されたり。)
  • 全員に保険が行き届かないというのは、結局ER(救急治療)のコストが増え、皆の負担が大きくなっているんだ、と主張。何より病院に行けない人がいるというのは社会として良くないだろう、と。(注:アメリカの病院は、そもそもアポを取らないと入れてくれません。アポを取らなくても良い病院は、長時間待たされるのと、保険を持っていない人が来ても拒否されます。最後の砦がERでERだけは原則、誰が来ても診察しなければなりませんが、保険を持っていない人が来ると費用を払えないのでその分は税金で補填されています。)
  • 今保険を持っている人には、何のダメージもない。何も変えないことを約束する。
  • 保険会社がズル(治療費支払いを拒否する、病気持ちの人や貧しい人の保険加入を拒否するなど)をしないように法律を変える。
  • 今保険を持っていない人向けの、新しい保険売買市場を作る。
  • そこでは、公的な保険も売り出す。公的なものとプライベートな保険会社が競争するのはアンフェアだと思う人もいるかもしれないが、今は保険会社の数が少なすぎて十分な競争がなく、ユーザーが損をしている。

という具合に進みます(これでまだ途中)。


とにかく圧倒的な存在感と支持を受けて、どんどん新しいことを発表していく姿が印象的でした。英語が苦手な人も雰囲気だけでも日本の国会と全然違うので、是非ご覧ください。