ソニーはアップルに負けるのか?

アップルの新しいAirPort、音楽ストリーミング機能を搭載

Appleがまた新しいことをする。自宅で音楽をストリーミングできる。しかもたった15,000円。普通の無線LANのステーションと同程度である。

デザインが格好良いとか、iPod関連事業を狙っているとかそういうことを書くつもりはない。改めて、アップルの、スティージョブズに感動した。と同時に、ビジネスってほんとうに面白いと思った。

何故こんなことを言っているかというと、「情報家電」にとってこれがどれだけキラーコンテンツならぬキラーハードであるかというのを考えているからだ。

あくまで私見だが、情報家電の世界でイニシアチブをとってきたのは、間違いなくソニー、正確にはSCEであったと思う。PS2, PS/X。これらは、「ゲーム」というキーワードで、家電の世界に入り込み、DVD、テレビという一連の「視覚」に訴えるものを制覇するかに見えた。

ソニーのみが、家庭内の「視覚に訴える」という意味でのエンターテイメントビジネスのパイオニアであったように思っていた。

ところが、アップルは、「聴覚」というキーワードで家電の世界に入り込んだことになる。ポイントは、情報家電のネットワーク性である。「AirPort Express」は、音楽を無線で共有できるだけでなく、家電のネットワークの入り口をこの製品で押さえるようとしていることになる。

これはソニーが、Playstation BBなどとのたまわっていたのとは対照的である。明らかに、ユーザーの導入障壁といい、価格といい、機能といい優れているように見えて仕方がない。

いずれにせよ、こうして考えると、情報家電の最大のキーマンは、入り口を押さえにかかっているという点で、アップルになってしまったように思える。PCとそれ以外という無意味なカテゴリーにこだわらずに、こうした製品を考え出したジョブズ、アップルの魂に驚かされると同時に、無意識に憧れてしまう。