SNSはまだ早すぎたのか?
JTPAツアーでお世話になった川野さんの代打blog。かなり興味津々です。
SNSは、必ずしも使う必要がないから、もう使われなくなってしまったという文脈です。
日本のSNSを見せると米国の友人たちは「やっぱすげーかっちょいい/美しい」と口を揃えて言うのだが、必要と思うかと聞くと「よくわからん」という答えが返って来る(米国のSNSに対しても、もちろんそうだが)。いま日本ではSNSのビジネスモデルを必死に考えている人が大勢いると聞くが、じゃ、なにがmust haveなの?という素朴な疑問に応える姿勢が彼らに問われるのだと思う。
すごく分かるようで、半分納得がいかない部分もあるので、僕の今理解しているところを書かせて頂きます。
確かに現時点では「must」でないSNS
川野さんは、次のように書かれているが、全くもって仰るとおりだと思う。
Googleはもちろんのことながら、相変わらず航空券はOrbitzで買うし、ムービングセールではcraigslistに売り広告を掲示するし、一般的な商品を買うにはeBayに行くし、本はAmazon.comで買うし、パーティーはEviteでオーガナイズするし、清算や支払いにはPayPalを使う。どれも楽しい、というよりは必要だから使っている、というものばかりだ。
僕も川野さんと同じく、orkutもmixiもgreeも使ったけど、今はあまり使わなくなってしまったクチです。でも、googleもamazonも楽天も使うので、全くと言っていいほど川野さんと同じ気持ちです。
Emergent DemocracyにおけるSNS
現時点での認識としては、上記のようなものであるが、先日のエントリーのような議論になって、「blogな民主主義」が実現されるとすれば、どうなるだろうか。かなり大きな仮定を置くことになるが、少し考えてみたい。
「blogな民主主義」の世界では、12人程度の「Creative Network」、150人程度の「Social Network(SN)」、1000以上のオーダーの「Political Network(PN)」が存在することになって、SNがPNに影響を与えられるのかということが「blogな民主主義」が実現可能なのかどうかと等しい命題だということを書いた。
そこで、SNSというのは明らかにSNレベルの組織を作るのに適した役割を担うと言えるだろう。(これは多くの人がSNSで150人前後の友人を登録しているのを見れば理解しやすいと思う。)
さて、問題はSNSやblogでは、SNがPNにどうやったら影響を与えられるかだ。バラバシの言うように、リンク(グラフ理論でのリンク)を考えれば、SN内部は強いリンクで結ばれていて、SN外部では弱いリンクで結ばれている。(でも実は弱いリンクの方が役に立つという説もある。)思うに、SNSでは、このSNとSNを結ぶ弱いリンクが実装されていない。ここは、慎重にやらないと普通の出会い系と同じになってしまうため、作成者の方々もかなり慎重になっているとは思うが、やはり”身内”以外の関係を実装できていない。ところが、blogの方は、まだ知らない人にトラックバックを飛ばしやすい(greeで知らない人にリンクのお願いするのはできないが)。そうなると、「blogな民主主義(Emergent Democracy)」な世界では、SNがPNに影響を及ぼせるような手段が用意されていねばならないことになる。
SNSはまだ早い(もしくはまだ未熟)
というわけで、SNSは、blogとの相対比較でも、絶対評価でも、未だにSNとPNを上手くリンクできていないという理由で、まだ早い(もしくはまだ未熟)だと思うのだ。greeがまだαバージョンなのはそういう理由なのか。ともあれ、SNSはまだまだ発展すると思う今日このごろである。