Sun might be bought by IBM / Silicon Graphics declared bankruptcyに思う

SGIが破産、SunがIBMに買収されるかもしれないというショッキングなニュースが2つ続いた。


Silicon Graphics Declares Bankruptcy and Sells Itself For $25 Million

A decade ago, SGI’s revenues peaked at about $4 billion a year. Now it will be lucky to make one tenth of that, with a revenue run-rate of less than $400 million, and its losses are piling up.

売上が10年前の1/10以下になっている、その結果として負債が雪だるま式に増えて、ついに破産とのこと。
思えば、僕にとって、シリコングラフィクスのコンピューターというのは、初めて見た大型計算機だった。大学2年生の時だろうか、本郷キャンパスにやってきて、今で言うところのARのようなすごいものを研究している人のところに遊びにきた時のことだった。
その研究室では、当時のSGIの一番高いワークステーションを100台くらい並列に連結して、仮想空間を描画していた。怪しい眼鏡をかけて舞台の上に立つと、周りがリアルに見える、そんな実験装置だった。
まだ、セカンドライフもなかったが、そこでは既にセカンドライフ以上のことが実現されていた。その当時の先生は、「こんなにSGIのマシン買えるのはうちくらいだよ。」と自慢げに話していた姿が今も忘れられずにいる。そして、僕は単純にSGI100台か、すげーなと感動していたことだけははっきりと覚えている。今、あのマシンたちはどうなっているのだろうか。


Big Blue Wants To Swallow Sun For $6.5 Billion

Sun’s main Solaris server business has been suffering for years from the onslaught of cheaper open-source Linux servers, which it now offers as well.

Solarisビジネスは確かに不景気になると苦しいだろう。競争相手のLinuxは本当に全部無料だから。
ただ、Sunがネット業界に貢献してきたことも忘れてはならないと思う。オープンソースへの貢献だ。(もちろん、彼らはその「貢献」からきちんと収益を回収してきたことも事実だが。)
2000年頃、Linuxは今ほど良くなかった。ウェブサービスを動かすためのサーバーとして使うのを躊躇するくらいよく落ちたし、とにかくちゃんと動かすのが大変だった記憶がある。それで結局、Solarisくらいしかまともに動かないから、当時はなんだかんだいってSolarisを使っていたことが多かった気がする。僕の感覚からすると、あのSolarisがもうビジネス的にダメになったか、あっという間だったなぁというのが正直な感想だ。

買収価格の$6.5 Billionというのも安すぎる気がする。つくづくIBMというのはすごい会社だなぁと関心すると同時に、西海岸のギークの会社で最も成功した会社の一つが、こうして東海岸のスーツの会社に買われるのも何となく寂しい。


ドッグイヤーのごとく進んできたIT業界もこの金融危機で大きな構造変化が起こり始めていることだけは事実のようだ。