【経済〓】日本は“アメリカ型”?それとも“スウェーデン型”?

いつになっても景気がよくならない。日本はアメリカみたいにリストラばっかりしても、全然会社の経営がよくならないじゃないか。税金をすごく取られているけど、どうせ政治家の接待に使われてるんでしょ。などなど、最近、ちっとも上手く行かない経済の「構造改革」に対する批判を耳にします。なぜでしょう。よく言われているように、明確なVisionが無いからでしょう。このVisionに関して、先日面白い議論がありましたので、紹介させて頂きます。

先日、僕の親友2人と大先輩1人の計4人が、あるカフェに集結して、アツイ議論をしていました。そこでの議論は、これから日本はどう進むべきか、というとてつもなく大きなお話でした。

よく日本政府はアメリカのシステムを真似しているように思われています。戦争に負けて、占領・指導されたので、仕方ないと言えば仕方ないのですが、国の経済の構造としてアメリカを目指すということがどういうことなのかを知っている人は少ないように思います。アメリカ型の経済構造とは、一言で言ってしまえば、「稼ぐ人だけが徹底的に稼ぐ」社会だと言えると思います。何と驚く無かれ、トップ1/5の合計収入が、残りの4/5を上回るという経済構造なのです。もっと現実的な話では、高級ホテル街からstreetを3つくらい奥に入っただけで、怖〓いホームレスが暴れている、という状況です。「アメリカンドリーム」という言葉に象徴されるように、一部の成功した人がビックマネーを手に入れるというのが一番典型的なモデルに思えます。それでいて、日本ほど税率が高くないので、貧しい人への「富の再配分」が活発とも言えません。

さて、先日の議論は、日本がこうなってしまっていいものか、という議論でした。具体的には、スウェーデンに代表されるように「福祉の国」として、“豊か”な暮らしを追い求めてもいいのでは、という意見がありました。スウェーデンというのは、お恥ずかしい話、僕も良く知らないのですが、皆さんとの共通知識で言えば「高齢者にやさしい」「社会福祉が充実している」といったイメージですね。それはどういうことかというと、稼いだ人がものすごくたくさ〓んの税金を払って、「所得の再配分」がかなり大幅に行われている、ということです(たしか最高税率75%)。僕はこれを聞いてびっくりしました。何でそんな構造が成り立つんだ、と。日本のように島国ではないので、海外に出ようとすれば簡単に出られるはずです。この辺は是非とも研究したいです。誰か知っている人がいたら、教えてください。

議論は、高度成長期のように「アメリカに追いつけ、追い越せ」という、分かりやすく言えばGDP/Headが1位になる、という目標ではなく、個人の“豊かさ”を追い求める政策を国はとるべきでは、ということでした。僕の結論は、あくまで“アメリカ型”を目指すべき、ということです。何故なら、今の日本のように競争らしい競争なくして、“豊かさ”を議論すべきではない、と思うからです。満足に戦える状況じゃないのに、戦後のことを考えるな、それじゃ社会主義に逆戻りだよ、というのが僕の考えです。そりゃ、みんな自分は豊かに暮らしたいと思うだろうけど、結局誰がその豊かさを産むの?という問いに答えられないのでは、現実的に豊かさを議論することができないと思うのです。もっと研究しないで偉そうに言うのも恐縮ですが、スウェーデンにだってエリクソンという世界的に競争力のある会社がありますからね。国の経済政策に関与されている方には、是非とも、“健全な競争”ができるような「構造改革」を期待したいと思います。

ただ、僕もずっとアメリカ型がいいとは思いません。将来はお金ではなく、「楽しさ」というものが一番の価値になるだろうとさえ思っています。ただし、「楽しさ」とか「豊かさ」を議論するのは、戦ってからにしてほしい、というのが僕の勝手な想いです。そんなことを思いつつ、僕は小さくても弱くても、必死に戦っていこうと思います。

柴田尚