Googleが儲かる理由

Life is beautifulさんの「Amazon AffiliateがGoogle AdSenseに勝てる理由」
http://satoshi.blogs.com/life/2006/06/amazon_affiliat.html
は実に本質的だと思った。

言い換えれば、Google AdSenseに関して言えば、全員の利害が必ずしも一致していない―つまり「win-win」の構図が成り立ち難い構造になっているのである。

 「win-winの構図が作れないビジネスモデルは長続きしない」というビジネスの大原則を適用すれば、Amazon Affiliateは「末永く今の形で続かせることが可能なビジネスモデル」だが、Google AdSenseは「このままの形で維持するのは難しいビジネスモデル」と言える。

では、何故Googleが儲け過ぎているのか。これは今みたいな寡占構造になった現在、考える価値のある問題だと思う。

検索キーワード市場が急速に成長する中で、グーグルはその主役であることは誰も否定できない。そして、そのビジネスは、無限に存在しうる検索キーワードを、広告主にオークション形式で販売することで成り立つ。ここでのポイントは「オークション」という仕組みである。

もちろん、単純に入札価格で検索上位が決められる訳ではなく、クリック数×入札価格で決まるとされているが、これこそがグーグルの巧妙な「言い訳」なのだ。グーグルという広告の「作り手」が、広告の流通を担う「マーケット」の役割を担う。圧倒的に優れた家電製品を作れるメーカーが、ビックカメラなどの大手量販店を軒並み買収してグループ会社にしてしまい、そこで常に人気のある自社製品をオークションで販売している姿を想像してほしい。この市場の歪みこそがグーグルに利益をもたらしすぎる構造を生んでいると言える。

この点において、グーグルは資本主義を徹底的に貫いていると言え、その枠組みの中では"not evil"であるという理論武装をしっかりしている。他方、アマゾンは、「マーケット」の機能をほとんど有さず、常に定価販売を続ける社会主義国家のようである。しかし、どうだろうか。資本主義において、利益という「勝利」は賞賛されるべきものだが、勝ちすぎに対しては相当な嫉妬や足の引っ張り合いが起こるものだ。今はそういう時期なのかもしれない。