20%ルール

いろんな会社がGoogleの「20%ルール」を真似してラボを作ってみたりしたけれど、はっきり言って上手く行っている例はゼロだと思う。日本で唯一それなりに上手くいきかけているとすれば、僕はウノウラボだと思う。

実験サービスは業務時間外に、でも「賞金あり」――ウノウラボ

山田 エンジニアは確かに多いですね。誰がラボの人、というのはありません。ウノウラボで発表するようなデモサービスについては、各自が開発合宿とか業務時間外でやってください、ということになっています。就業時間中は普段の仕事をやる。その代わり、良いものができたら賞金を出します。

 それとは別に、ウノウラボから始まったサービスを、昼間の仕事として事業プランを立てて何カ月間か続ける、という制度も用意しています。

秋元 ウノウラボの勉強は時間外が基本で、代わりにエクストラで賞金などが出る、と。

山田 社員の学習活動というとGoogleの「20%ルール」が有名です。しかし、会社の仕事を80%で終えるというのは実際なかなかできなくて「結局は会社100%、その他20%の120%になってしまう」という話も聞きました。

 だったら本業は本業としてきっちりやってもらって、その枠外でできたものについては別途報いる、というような形がいいのでは、ということで、今のやり方になっています。

秋元 ラボブログは持ち回りのグループブログですよね。

山田 当番制で回していき、1日1本のエントリが載るようにしています。だいたい3週間に1回順番が回ってきます。このラボブログの執筆については業務時間を使っていいことになっています。

実は山田社長の↑の発言が実に的を得ている。それは、Googleの「20%ルール」を真似しても失敗する理由とも共通する。


それは何かと言うと、

Googleの20%ルールの最大のポイントは、「20%ルールの中でやったことも人事考課の評価対象になる」

ということだ。当たり前ですが、これを理解する必要がある。


いくらGoogleのエンジニアが優秀でも、所詮はサラリーマン。就業時間の1/5を「本当に」好き勝手やってよいよ、ということにするわけにはいかない。サラリーマンである限り、自由と義務(責任)は常に連動するのが会社ってもんだ。

(超優秀なエンジニアばっかりの)Googleだってこうしてるわけだから、普通の会社がやったって上手く行くはずがない。上手くいかない理由の主たる原因は、

  • そもそも普通のサラリーマンは「20%自由にやってよいよ」と言われても何をしていいか分からない。
  • 「20%ルール」の仕事が評価対象にならないからだれる、あるいは本業以上に優先できない。
  • 「20%ルール」が評価対象になっていたとしても、評価する側が破壊的でイノベーティブなものを理解できずにスクリーニングを誤る。

のいずれかだと思う。


一方で、全く逆のアプローチで成功した日本企業があった。それはDeNA(モバオク、モバゲーなど)。DeNAは見ている限り、

  • 新しいサービスを創り出す人
  • それらを拡張して、安定的に運用する人

を明確に分けているような気がする。この続きはまた追って。。。