『賢者の買い物』:価格comが何故、価格comたり得たのかがよく分かる一冊。
すごく面白かった。価格comというサイトは、実は相当すごいサイトで、本当に良く出来ていると感心ばかりしてしまうが、価格comというものがどうやって産まれて、どうやって成長し続けてきたのかが良く分かった。
1年間以上、ほぼ無収入で、ひたすら最安値を調べてサイトに掲載し続けた、創業者槙野さん。ほとんどクレージーとしか言いようがないが、ネットバブルで皆が浮かれる間も、300万円だけの資本金で外資の価格比較サイトにも打ち勝って来た。
きっとPCやパーツのことが大好きな人だったんだろう。1年間も無収入でこれだけをやり続けるというのは、はっきり言って尋常じゃないエネルギーだと思った。
今、10年前に戻ったとして、同じことができる人が何人いるだろうか。
その槙野さんのすごさを理解し、投資家として価格comに投資をし、後に自らが社長になる穐田さん。バブルがはじけてもICFのファンドが高利回りを出すなどVCとして一流なだけでなく、価格comみたいなコミュニケーティブなサービスを率いて、東証一部まで引き上げた人物だ。
はっきり言って、日本であまりいいVCに会ったことが無いが、穐田さんはきっとそういうVCとは一線を画していたのだと思う。価格comの社長をやるのは、恐らくYahooの社長をやるのと全く違った能力が必要で、しかもこれだけの勢いで成長させたというのは本当にすごいと思う。
いずれにしても、価格comというのは、創業から今までずっと「ユーザー」のことだけを考えて成り立ってきたサービスで、それを可能にしたのが、この2人なのだということが良く理解できた。是非おすすめの一冊です。
- 作者: 久保田正志
- 出版社/メーカー: 日刊スポーツ出版社
- 発売日: 2007/11/30
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